初めて介護の仕事に就いて普段聞き慣れない用語を聞くことも多いと思います。高齢者の現在の状態を表す言葉にADLという専門用語を用います。「ADL」とは日常生活動作のことです。高齢者の方が普段生活をする中で、基本となる食事や排泄等の生活にかかせないことをひとくくりにした用語です。仕事に就くと「○○さんの今のADLは~」といった会話をすることがあります。これは○○さんの今の生活における可能な動作のことを言っています。このADLで表すことによって、一人で食事をとることができるのか、どこまで自分で歩けるかといった日常の生活動作がある程度分かるので、初めて高齢者と接することになった場合にその方のADLを知っていることによって様々な準備をしておくことが可能になるのです。
例えば施設に入ることになった方がいて事前にその方のADLの情報を施設に知らせておくとして、施設側はその情報をもとに部屋の用意をしたり環境を考えていくわけですが、もしこのADLの情報がなかったらベッドやポータブルトイレといった業者に発注して時間がかかるものがすぐに用意することができません。他にも高齢者の状態をADLとしての情報を使う場面は多くあります。また、ADLは日常生活動作のことですがIADLとなると手段的日常生活動作のことを表します。これはADLが生活の基本的なことと考えた場合にIADLは掃除や洗濯、電話等といった生活になくても生きていけることを表します。